音楽のバーゲンセールは… しない

僕は全然知らんかったのだが、どうも世の中的には「バーゲンセール」期間に突入してるみたいね。
「クリアランス」やら「スパークリング」やら、全くもって意味不明な冠を付けた安売りが全国各地で行われてる訳です。
そういや昨日もBIG CATの周辺はえらい数の部屋とYシャツと私… ではなく人と車と紙袋が独特のグルーヴを発しながら心斎橋を飲み込もうかというくらいのうねりを上げていた。
今日は名古屋のQUATTROって事で、全国のQUATTRO同様、ここ名古屋もご他聞に漏れずショッピングビル「PARCO」の最上階に位置しています。
僕らが到着したお昼頃には、早くも負のオーラがビル全体を包み込むかのごとくある種異様な光景。
ここで一つ困った事が発生。
PARCOの駐車場がえらい行列っぷり。
その列軽く500mはあろうかというもん。
機材を搬入するには一旦この駐車場入り口を入り、途中を右に折れると納品車専用のスペースになる。
つまり途中からは駐車場に行く車とは別ルートになる訳だが、その手前を100m程は同じルートを通らなければならず、リハーサルを控えた僕らにとって、この行列は死活問題なのである。
入り口で車を誘導してる、ここ数年これだけ鼻毛が飛び出した人も見た事はないってくらいの「自分、リストラ後ようやく今の仕事に就けました」オーラを全身から漲らせてるおっちゃんと交渉したものの、全くもって埒があかない状態。
駐車場に横入りするのではなく、あくまで同一ルートの100mを端折らせて欲しいのだと涙ながらに訴えるも「私にゃあできましぇ〜ん」の1点張り。
リハーサルの時間は刻々と迫ってる。
仕方なく「強姦魔」の如く機材車を強引に入り口にインサートし、納品車専用スペースへ今度はしなやかに滑り込ませ、最悪の状況を回避。
その強引さが気に喰わなかったのか、先ほどのおっちゃんがちょっと信じらんないくらいのテンションでいきなり怒鳴り始めた。
「何を考えてるんでしゅかぁ!」と、鼻毛と感情をむき出しで怒鳴る様は何だか哀愁すら漂わせてて、少し複雑な気持ちになるも、無事機材は搬入。
後で聞いたらこの日のゲストの銀杏チームの機材車も、ほぼ同じ状況になっていた模様。


さて止め処ない前振りはさておき、本日のスパルタのアベック・ツアーはゲストに銀杏BOYZを迎えてのラス前公演。
この2バンドの接点って以外に無さそうだけど、ことの発端は何年か前に峯田くんの「朝焼けニャンニャン」で「今日のBGM」に度々スパルタの曲が登場してるのを見て、「もしかして良く聴いてくれてるのかなぁ」ってくらいの認識でいた我々。
そこからちょっとして昨年の銀杏の全国ツアーのゲストで声を掛けてもらい、そこから交流がスタート。
何でもツアーの移動の車内でのBGMにも何度か登場してたらしく、ありがたい事です。
今回の主旨に賛同してもらい、ライブモードでも何でも無い中快く出演を引き受けて頂きました。


ライブも相変わらずの銀杏BOYZ
はちゃめちゃな中にきちんと筋が「ピシッ」と通っていて、「痛快」って形容詞が最も似合うライブだと個人的には思う。
ほんとに「人間くさい」ライブ。
ところどころに「暑苦し」さや「気持ち悪さ」が混ざってるのだが、それが全然気にならないのである。
そんな銀杏のテンションに引きずられてか、のっけからハイテンションのスパルタローカルズ
明らかにオーバーペースなライブだったが、僕らもあまり観た事がないくらい凄まじいテンションで一気に駆け抜けた。
力技使いつつ、スパルタのいいとこでもある「緻密なアレンジと演奏」は崩さずにプラスアルファな要因が加わった良いライブを展開。
本編ラストの「トウキョーバレリーナ」では袖で見てた峯田くんが、イギーポップばりのヘンテコなダンスで乱入&ダイブ。
一見混じり合わなそうな2マンをうまく混じらせるのはなかなか難しいが、今日はバンドと音楽の力でうまく混ざる事が出来たと思う。
今回の「アベック・ツアー」の中でも一番不安の多い組み合わせだったが、そんな心配は全く無用だった夜。
経費削減で、更に交流を深める為に打ち上げに向かったメンバーチームを残し、僕らスタッフは最終の1本前の新幹線で東京へ。
車内のくたびれきった空気に引きずられ、だいぶヘロヘロで帰宅。