公共施設に鳴り響いたグランジシスター

9月27日から丸々2ヶ月に渡り全国津々浦々で展開してきたスパルタローカルズ「何だ、ばかやろう」ツアーも、いよいよ本日ここ渋谷公会堂でのライブを持って終了である。
午前中は雨も降ってきたりで「最後の最後でこれかあ」何て思ってたら午後からは晴れ間も覗いて、寒いながらもまずまずの天気。
ホールでのライブと言う事で何も無い舞台に音響から照明から道具関係に至るまで、一から持ち込んで仕込まなくてはならない為、11tクラスの大型トラック1台、4tクラスの中型トラック2台、スタッフの数60名以上、とにかく沢山の人と物が朝からうねうね動いている。


今回は全22本のツアーファイナル公演であるが故、基本的にはツアーの流れを汲みつつも、一つだけ僕の中で決めていたコンセプトがあった。
それは「頭からつま先まで、とにかく今のスパルタの全てを見せる事」。
その為、本来の渋公のステージの上に更に高さ45cmのステージを全面に組んで足元のモニタースピーカーを下に降ろし、足元まで全て見えるステージセットにした。
気付かない人も居るだろうし、それでも全然構わないと思った。
メンバー一人ひとりの動き、例えば真くんがエフェクターを緻密に踏みかえるとことか、普段はモニターや低いステージで見えなかったりする、そんな細かいとこまで全て見せようってのが狙いだったのだが、結果的には非常に成功だったと思う。
そんな一見馬鹿げた発想にお金を使う事。
そんな事が今のスパルタには一番シックリくる見せ方なのではないか。


照明も、こう言ったシチュエーションではついムービングに行きがちだけど、十数年前に使われていた、ムービングが主流になった事で使われなくなってしまった古い機材を片っ端から集めてきてプランを作ってもらった。


僕らスタッフが補った部分はそれだけ。
あとはツアーを経て進化したバンドが全てを見せる。
それだけで勝負に臨んだ。


勝負に勝ったか負けたか、あるいはドローだったか。
結果は見てくれた人がそれぞれ判断してくれればいい。
ただ、このタイミングで椅子のあるホールでライブを行った事は、非常に実りの多い体験になったと思う。
渋公に鳴り響くオルタナティブナンバー「GRUNGY SISTER」を観ながら、次にやるべき事が明確に見えたんだ。


それにしても楽しい1日だった。
朝からステージに張り付きで、持ち込み舞台の仕込み位置を数cm単位であーだこーだ言ったり、どうでもいい事までとことんこだわった。
ステージスタッフのノウハウとバンドの力量を全て注ぎ込んだショーに出来た事だけは間違いない。
ここから本当の「スパルタローカルズ第二章」が始まる。
そんな気がした夜だった。