10月26日(土)


そう言えばこの前のサンプラザの現場で
妙案を思いついたので色んなスタッフに提案してみたが
微妙なリアクションだった案件が。


昨今、コンサート関係始め、
所謂「サービス業」は週末に集中する傾向がある。
もれなく我々の業界も「平日は人が集まらない」という
暗黙のセオリーがあり、そのおかげで1年以上先まで
土日の主だった会場は真っ先にスケジュールが埋まっていく、
という状況が数年続いている。
勿論、多くの人にとって「週末開催」が望ましいのは理解しているが
会場数と演者数のバランスは、どう考えても釣り合いが取れる訳はなく
誰かがあぶれて平日に回ってる場合が多々ある。
そして週末ともなるとそこかしこの会場でコンサートが開かれており
所謂「被り」と言うやつが生じ、お客さんも複数の選択肢を
選ばなければならない状況が生まれたり、
我々スタッフにとっても同様の問題が発生する。
個人的には「入る」確信があるものは
平日に退くべきだと、以前から考えており
密かにそれを実践している。
ただ、勝負どころやチャレンジのキャパ設定の公演は
出来る限り週末に設定する場合が多い。
お客さんにとっての被りもそうだが、
我々にとってはスタッフの被りも、かなり由々しき問題なのである。
そこで考えたのがスタッフのギャラの「平日割」、
さらにはチケット代の「平日割」だ。
昨今、例えば温泉旅館やホテルなどは
繁盛期には高い料金設定になっており
閑散期の低い料金設定とのバランスをうまくとって
ビジネスを成立させている。
僕が個人的にライブの際にお願いするスタッフは
割とフリーランスの人を使う事が多い。
フリーでも会社員でも、そのアーティストにあったテイストを持っている人と
一緒に仕事をしたいと思うので
その辺はケースバイケースなんだけど、
フリーの人の場合は、やはりその人の技術者として側面である
生活面の事や将来の事もおぼろげながら考えるべき立場にいると
思っている。
最近よく「週末労働者現象」が話題になる。
要は週末に現場が集中して、平日は仕事が少なくなった、
もっと言えば、週末に担当しているアーティストの公演が被り
一方に代理の人を出さざるを得ない状況が生まれる、という事。
そうなった場合、いくら仕事の依頼が多数あっても
行けるのは日に一現場が限界で、需要と供給が釣り合わない。
その先には「うちの現場には来てくれないから、もうほかの人に頼もう」
と仕事を失ってしまう場合だってある。
これは自分にも全く持って置き換えられる事だ。
そういった状況を変えるための「平日割」なのだ、
例えば平日の仕事は通常の3割引きで受けてもらう。
僕等は通常より制作費のコストダウンが見えているので
バジェット的には平日チャレンジしやすくなる。
そのおかげでチケット代も割引できるかも知れない。
スタッフは空いてる平日に仕事が入るので
トラも出さずに済んで、ダンピングされた料金だが
収入も得られる、という考え方。
最近では半数以上のコンサート会場が、
土日に関しては平日より割増しの料金設定になっているので
コストはどう考えても平日の方が低くなる。
それをチケット代に反映させるというシンプルな考え方だ。
これ、どこかで導入してみたいのだが
足並みが揃わないとすぐにポシャってしまう企画だと思うので
何とかオピニオンリーダーになるべくトライしてみたいと思う。
と言う話を方々でしたら、リアクションは「…」。
まぁ、難しい問題ではあるので全ての同意を得るのには
まだまだ説得材料が必要だと思う。


と最近は、秋空を見上げながらそんな事を考えていたりするのです。はい。